りきのほぼ日報

テーマに合わせて500〜800字のコラムを書く。もちろん日報なので平日のみの更新。土日のサビ残はしない主義です。

2019/10/23 垣間見る職業

僕が飲食店でアルバイトを始めて3年半が経つ。

働いていた店舗が潰れたり、社長が逃げてしまったりと紆余曲折はあれど、長い間続けてきた。

 

店舗は違えど、どの店でもすることは

「お客さんの話を盗み聞き」

である。

 

飲食店は種類違えど「会話」をしに来ることが多いだろう。

カフェだと

「○○さんちの息子が引きこもりになったって…」

「うちのおばあちゃんがボケてきちゃった」

 

居酒屋だと

「○○課長が本当に使えない」

「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

「もうこの仕事辞めたいです…」

 

聞こえてくる話は人それぞれだ。

ただやはり耳につくのは「不幸話」だろう。

 

意気揚々と他人の不幸を話す人や、この世の終わりのような顔で決死の覚悟を決めて話している人。

 

下手したらその人の友人よりも詳しい事情を僕らの方が知ってるのではないかとさえ思うことさえある。

 

そう、僕らは飲食店で働きながら「他人の人生を垣間見ている」のだ。

 

正直な話、全然知らない人たちの不幸話を盗み聞きすることはかなり面白い。店員間でも共有してしまうくらいには面白い。

 

「人の話を盗み聞きしてほくそ笑んでるとは厭らしい!」

と僕のことを非難したくなる人もいるだろう。

 

ただ許してほしい。

なぜなら僕ら店員も常にお客さんに「垣間見られている職業」だからである。

 

常に名札を付け、所作の1つ1つを見られているという意識を持たなければならない。

僕らの会話も、表情も見られている。

 

店内で僕らは常に「垣間見られている」のだ。

 

下手なことはできない。

常に「垣間見られている」という意識を持つ必要性があるかもしれない。